メンテナンス方法 一般 飼育関連コラム

餌を大量に入れすぎてしまった時は?

2018/11/27

アクアリウムの中は、外界で起きている水の循環とは隔離された世界です。

この世界では、限られた水草と熱帯魚、そして目には見えませんがバクテリアたちで成り立っています。

熱帯魚が活動し排出されたフンなどは、バクテリアたちの作用で無害な硝酸塩に変化し、二酸化炭素は、空気中に蒸散するか水草により処理されていきます。

そしてこの世界では、熱帯魚のお腹を満たすことができるほどの食物は生成されませんので、餌という形で人が水槽に投入します。
概ね水族館であろうが一般家庭にある水槽であろうが、規模の違いはあるとはいえ、ほとんどの水槽ではこのような形で日々運用されています。

ところが、人が介入するとき、人為的なミスによって、この世界に危機(大げさ?)が発生します。
今回は、数多くあるイレギュラーの中でもよく起こる「餌を誤って入れすぎてしまった」場合について、書きたいと思います。

餌を入れすぎる原因

餌を入れすぎる原因の一つが、ヒューマンエラーでしょう。
以下のものが挙げられます。

・手が滑って餌の袋や、ケースごと水槽に入れてしまった。
・子供が良かれと思って、大量に餌を水槽に放り込んだ。
・給餌機の設定を誤り、意図しない量の餌を水槽に入れてしまった。
・日々の餌やりの際、水槽に入れる餌が慢性的に多めである。
・個体が減っているにも関わらず、同じ量を入れ続けた。
・餌やりのタイミングでないのに、餌を投入してしまい魚たちがほとんど手をつけなかった。

・・・こんなところでしょうか。
一言でヒューマンエラーといっても、たくさんの要因がある為、防止方法も沢山考えられます。

また、完全に防止できる方法であったり、仮に発生したとしても影響を最小限に留める方法もあります。
防止方法については、次回の更新で触れて行きたいと思います。

今回は、「餌をやり過ぎてしまったときの対処法」について説明をして行きたいと思います。
ちなみに、私の時は、子供が餌をやりたいばかりに餌ケースごと水槽に放り込んでしまったケースを体験しています・・・・

慌てないで!

きっとこのHPにきているということは、今まさに餌を入れ過ぎて何をすべきか検討している最中でしょう。

餌を水槽の中に入れ過ぎてしまった場合、大変びっくりするとともに慌てて色々な対策を思いつき、実行したくなる衝動にかられます。
が、ちょっと冷静になって対応して行きましょう。

安心してください。

今、餌を大量に入れてしまいましたが、まだ魚に悪影響が発生しているわけではありません。
これからの対処次第で影響の度合いは変わっていきます。頑張りましょう!

網で掬える餌を掬う

まず、熱帯魚を掬うときに使用している網はありますか?これで、大量の餌を無理しない程度にすくい上げましょう。

魚にダメージを与える可能性がありますので、あまり網を水底近くまで入れるのではなく、あくまで水面や水面付近に漂う餌を取ることを専念しましょう。

ピンセットで底に沈んだ餌を摘み上げる。

魚取り網でおおよその餌をとったら、次はそこに沈んだ餌を取ります。
ゆっくりと熱帯魚を驚かせないよう落ち着いて一つずつ除去していきます。

あまり小さいものは、ピンセットでも取り除くのは難しいため、ある程度のところで諦めるほうがいいでしょう。

一日ごとに1/4換水する

取り除けそうな餌を取り除いたら、次は換水です。

入れてしまった量にもよりますが、すでにいくらかは水中に溶け込んでしまっている分や、これから上昇してくる窒素化合物の濃度を鑑み、1/4、換水します。

一旦、その日の作業は終わりです。

一気に水を全量交換を検討したいところですが、再度水槽の環境を立ち上げ直すには、数週間必要なことを考えると頻繁な換水による窒素化合物の濃度を低濃度になるよう管理していくことが賢明ではないかと私は、考えています。

換水を行いながら、亜硝酸の発生と硝酸塩の増加を監視する。

次の日。

お持ちでしたら、換水前にテトラテスト 6in1 試験紙などの水質調査用の試薬で今の硝酸塩や亜硝酸の濃度を確認してみてください。

まだ二日目では、変化が餌の大量投入前と試薬の反応に差はないかもしれません。しかし安心してはなりません。これからが本番です。

おおよそ2~3日してくると亜硝酸が現れ始めます。
たんぱく質→亜硝酸に変化させることができるバクテリアは、かなりのスピードで増殖することが可能ですが、亜硝酸を硝酸塩に分解できるバクテリアは、急激な増殖ができません。

そのため、一時的に亜硝酸が水中に存在してしまうことになります。

亜硝酸を分解するバクテリアは、水槽内に生成される亜硝酸の量によって数が決まってくるため、これからゆっくりと増えていくことになります。
水中の亜硝酸が完全に硝酸塩に分解できる数があわられてくるまでは、1、2週間程度必要となります。

この間に水槽にいる生体は亜硝酸の毒性に耐え抜く必要ができます。
亜硝酸に耐性がある熱帯魚ならば待つことも可能かもしれませんが、リスクが高くお勧めしません。

そこで、亜硝酸を分解できるバクテリアに頼るのではなく、7日間を目安に1/4換水を実施します。
亜硝酸の反応があるかどうかに関わらず、一旦やり切るほうが良いでしょう。

1/4換水とは、水槽内の1/4を新しい真水に交換する行為を指します。

およそ元の水の9/10を交換できれば一旦、換水をやめて亜硝酸と硝酸塩の増加がないかモニタする。

7日間毎日一回換水を行ったあとは、餌大量投入時点の水が含まれる割合は、およそ1/10程度になっています。

この後は、水質試験薬によって、注意深く観察を行うようにしましょう。
まだ、亜硝酸が検出されたり硝酸塩の濃度が高いようであれば、換水をします。

水質を監視しながら換水を行い、亜硝酸が未検出となれば、一安心です。
今後は、餌大量投入前の、今まで通りの水槽管理に切り替えてください。

わたしは、この方法で、なんとか1匹も死なせず乗り切ることができました。
途中、1、2日経過すると、豊富な栄養素のためバクテリアが爆発的に増加することによる水の白濁化が発生することもありますが、落ち着いて換水を進めていきましょう。

 

 

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